作:剛崎クロさん

彼女ナオミは本日ゲームセンターに遊びに来ていた。

『YOU WIN !!!』

画面に表示される文字。
その上には25人抜きの文字。

(今日こそ100連勝するんだから!)

彼女は格闘ゲームで連勝をするのが目的の様子
器用にボタンとレバーを操作し、連勝数を増やしていく。
そんな彼女の活躍ぶりに30勝を超えたころからギャラリーも集まってきた。
しかし、普段ならそれで浮かれるはずのナオミの顔はやけに沈んでいた。
というのも。

(……ゲーム始める前に、お茶飲みすぎたかも……)

一度勝ち抜きを初めてしまえば、そこから長時間席を離れられない。
そのため、ゲーム開始前にペットボトルのお茶を飲みほしたのだったが、それがいけなかったらしい。
今の季節は夏。
店内にはクーラーが効いており、しかもクーラーの出口のすぐそばにいるナオミには常に冷たい風があたっている。
夏の室外で汗をかき、少し湿っている服が冷え、余計に尿意が催しやすくなっている。
そんな悪条件が続いたためか、50勝を超えるころにはナオミの尿意はかなり強いものになっていたのだった。

(あと50勝、勝てるかな……)

しかし、ここでトイレになんて行けばここまでの50勝がすべてなかったことになってしまう。
やるしかない、と覚悟を決めたナオミはゲームの画面に集中することにした。

……。

もじもじ、と周りからは見えないように太ももと太ももをこすり合わせる。
今の連勝数は60勝。
あれから10勝で時間は大体30分が経過している。
あと40勝するには単純計算2時間はかかるだろう。
しかし逆に言えばここまで3時間耐えてきたのである。
きっと耐えられるだろう。
そう、頭で必死に考える。
そんな隙を突かれてか。

「あっ」

『KO !!!』

ナオミの使用キャラの体力がついに1度、0になってしまう。
先に2勝したほうが勝利できるルールだったため、敗北はせずに済んだものの、彼女の集中力も3時間の戦いでかなりすり減ってきている。
おまけにこの尿意だ。
どこまで戦えるかもわからなくなってきた。

(頑張らないと……ここまで来て、負けられない!!!)

ナオミは大きく首を振るともう一度ゲームに集中し始めた。

……。

ただ今の連勝数75。
あの後は1度もKOされることなく、順調に進んでいたわけだが。

「んっ……」

尿意も順調に高まっており、先ほどから何度も椅子に座りなおしてはその大きなお尻を揺らしている。

『KO !!!』

「んっ、ふぅ……」

これで76勝。

(ま、まだ、あと1時間以上……うぅ、きついよぉ)

弱音を吐きたくなる。
ボタンとレバーを離せるローディングのタイミングでこっそりと股間を抑えるが、その時間は一瞬で、すぐに手を離さねばいけない。
早く、早く確実に勝利を。
太ももと、足を何度もこすりながら、ナオミはさらに連勝を重ねた。

……。

ただ今、90勝目。
いよいよ残り10勝まできたナオミだったが、すでに彼女の精神力は限界だった。
冷や汗を流し、荒い息を立てている彼女。
しかし、ここで負けるわけにだけはいかない。
太ももをキュッと閉じたまま、ゲーム画面に集中する。
しかし。

『KO !!!』

「あっ」

ついに2度目のKOを取られてしまう。
同時に。

じわぁっ

「っ!!?」

彼女の水門にも大きなダメージが入る。
彼女のはいている下着に大きなシミを作ってしまったようだ。
しかし、一瞬目をズボンに移したが、ズボンまでは被害が出ている様子はなかった。
ほっとしたものの。

(だ、駄目、本当に限界、でも……)

コンボをつなげ、何とか連勝数を守るナオミ。
ふぅ、とため息を吐く。
少しだけ出たおかげか、尿意の波も引いたように感じる。
あと9勝。いける。
そう確信したナオミの集中力は再び復活した。
そこからはまるで一瞬であった。
あっという間に8勝をし最後の1戦。
ここで勝てさえすればもう何の未練もなくやめることができる。
しかし。

こぽっ!

「っ!?」

そんなナオミに、尿意の波が襲い掛かった。

(も、もう、最後の戦いなのに!)

そして、画面にFIGHTの文字が表示され、戦いが始まる。
ナオミはなんとか戦おうとするが、尿意に負けているせいか、コンボがうまくつながらず、先制でKOを取られてしまう。

(そ、そんな、ここまで来て、負けちゃう……)

だが、その瞬間、尿意の波が……奇跡的に引いた。

(負けて、たまるか!!!)

今までにないほどの集中力を取り戻したナオミは10割コンボを見事に決め、ラウンドを取り返す。
そして、ファイナルラウンドも何事もなく、勝利して。

『YOU WIN !!!』

『100連勝!!!』

『GAME OVER』

の文字が画面に表示された。

(勝てた、やっと、トイレいける!)

ナオミは嬉しさでいっぱいになりながらも沸き立つギャラリーの中、トイレに向かおうと立ち上がる。
しかし。
ずっと座った姿勢でゲームを続けていたナオミの膀胱は、立ち上がった瞬間の圧迫感に勝てず、キュッと縮まった。

「……え?」

ビクンと震えあがる。
そして前かがみの姿勢のままお尻が震える。

じわぁっ

そんなお尻のちょっと下にシミができてしまった。
様子がおかしいことに気づいたギャラリーたちがざわめきだす。

(うそ、やだ、せっかく勝てたのに……でも、でも……)

じわじわっ

さっきと違っておしっこは止まらない。
シミは大きくなり、お尻にぴったりとくっついたズボンをどんどん濡らしていく。

(もう、もうっ)

びくびくと震えながら、涙目になるナオミ。
そして。

「もう、だめ……」

彼女の敗北宣言とともに。
すとんと、また椅子に座ってしまうナオミ。
そして。

しゅぃぃいいいいいいいいいい!!!!

水門がこじ開けられた。
パンツ、ズボンにぶつかったおしっこは大きな水音を立て、彼女のズボンを濡らし、椅子を濡らし、足元に水たまりを作っていく。
それでも、5時間分のおしっこは止まる気配を見せず。

(うぁ、やだ、やだよぉ……)

ざわめくギャラリーの中、ナオミのおもらしは1分以上続いた。
そして、ようやくおもらしが終わり、ナオミは立ち上がろうとする。
するとまた膀胱がキュッと縮まったのがわかった。
おそらく、見られるのが恥ずかしくて、無意識におしっこを止めたのだろう。

「はうっ……」

ぐっしょりとぬれ、大きなシミを作ったお尻を振りながら。

しゅぃいいいいい……

最後のおしっこも出し切ってしまう。

「間に合わなかった……」

ナオミ100%

ナオミは、涙目でそうつぶやく。
そのすぐ後に、彼女が大泣きをしてしまったのは言うまでもない。