ごきげんよう。Dr.Qである。
これは、梅雨で1日中雨が降り続いている、そんな日のお話。
「ふう。雨が鬱陶しいな」
私は自宅からラボへ向かって住宅街を歩いていた。強めの雨で靴やズボンの裾が濡れ、不快感を露わにしていた。
「む。あれは……」
そんな折、目線の先にいたのは我が研究員のナオミ君の後ろ姿だった。コロナの影響で研究をリモートワークに移行しているので、生の彼女を見たのは久しぶりだ。せっかくなので憎まれ口を叩いてからかってやろうと思っていたが、すぐに思いとどまった。どうも彼女の様子がおかしいのだ。足取りは重く、前屈み気味で、内股でモジモジしている。勘の良い方はお気づきだろうが、おしっこを我慢しているとしか考えられない。
「クックック……」
私は物陰に隠れながら、彼女を尾行することにした。彼女は数歩おきに立ち止まり、内股のまま止めどなく足踏みしたり、時には屈み込んだりして、迫り来る尿意に耐えているようだ。これは限界が近いな。目と鼻の先にラボがあるが、おそらくそこまではもたないだろう。まぁ、間に合ったとしてもトイレには行かせないがな!
数分後、彼女は完全に立ち止まり全く足を動かさなくなった。脚はギュッと内股で閉じモジモジすることも出来ないようだ。身体がプルプル震えているのが遠目でも分かる。もう漏らすのは時間の問題だろう。私は「その瞬間」を近くでこの目に収めるため、バレないようにこっそりと彼女に近づく。
すると、彼女は手に持った折りたたみ傘を雑に折りたたみ、それをバッグに強引に仕舞い込んだ。強く降り注ぐ雨は、遮るものを失った彼女の身体を一気に濡らしていく。シンプルな白のTシャツは透け、黒のブラジャーを浮かび上がらせる。
「ん……っ! ……はあぁぁ~……」
彼女はブルブルと大きく身体を震わせると、天を仰ぎ、恍惚の表情を浮かべた。これは漏らしたに間違いない! デニムのスカートからすらりと伸びた脚には、おしっこと雨が混ざり合ったと思われる液体が滞りなく滴っている。
これは、「傘を忘れたふりをし、わざと濡れて、おもらしを誤魔化す作戦」か! さすがはナオミ君。数々のおもらしを経験してきただけはある。
「よう。ナオミ君」
私はここぞとばかりに彼女に声を掛ける。
「ひゃっ!? しょ、所長!?」
彼女は予想外の私の登場に驚き、身体をビクッとさせる。彼女の股間から「ビャッ」とおしっこが出たような気がした。
「どうした? そんなに濡れて?」
おもらしを始めてからすぐに声を掛けたので、今この瞬間も彼女の股間からはおしっこを垂れ流しているだろう。
「え? あ、あの……。か、傘を忘れちゃってぇ~。アハハ~、あたしドジですよね~」
「ほお~……。そのバッグに仕舞い込んだ傘は何だね?」
「え!?」
「だあーっはっはっはっは!! 雨にわざと濡れておもらしを誤魔化そうとするとは、ナオミ君も罪深い! 我が研究の糧とさせて頂こう!!」
「ふえーん。所長のばかー! ずーと見てたのね!」
「ま、そう言うな。そのままじゃ風邪を引くぞ。ラボに寄っていきたまえ。着替えを置いていただろう」
「グスン。そうします」